エルバフを訪れる真の目的は「ノアの修繕」?”あの一族”の高度な造船技術を解き明かす!

現在、佳境を迎えているワノ国編。その結末が「カイドウとビッグマム(またはそのどちらか)を破る」というものになるならば、世界の海は白ひげが破れた頂上戦争後以上に更に勢いを増して大きく荒れることが予想される。

革命軍も天竜人へ宣戦布告した今、そのまま「世界中を巻き込む巨大な戦い」へ発展していってもおかしくないだろう。

その様な状況下で麦わらの一味が敢えてエルバフへ行く必要はあるのだろうか?
これを「ある」と考えるならば、必然的に「何か”大きな目的”を持って訪れるはず」と考えることができる。

もちろん、エルバフへ行くことはウソップの夢でもあるので遅かれ早かれ訪れることになるとは思うが、それ以外の訪れるべき”大きな目的”を私はこう考えている。

「ノアの修繕」

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なぜ「エルバフ」「ノア」が関係あるのか?

まずは復習から。

①ノアを直す”あの一族”の伏線

次の描写は、魚人島編の戦いのラストシーンだ。海王類達が壊れかけたノアを海の森に運んできた際、この様に話していた。

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「直すにはあの一族の力が必要だが
ーー時代が代わった……」

このセリフによってノアの修繕について2つのことが示唆された。

(1)”特定の一族”の力が必要であること
(2)時代が代わったので直るか分からないこと

今回は、この2つはもとよりそれに絡み合ういくつかの謎について考える。が、本題の前にもう一つだけ前置きとして以下の項目を。

②あの一族は”魚人(人魚)族”ではない

ノアの修繕ときて、この人を思い付く読者もいるのではないだろうか。

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優秀な船大工トムの弟「デン」だ。確かに彼は海の森研究者兼船大工である。

しかし、私は「あの一族」ではないと考えている。もちろん修繕するとなれば手伝うと思うが、海王類の言う「必要な力」とは違うということだ。

そもそも、ノアの造船についてはバンダーデッケンがこの様に語っている。

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「魚人島民が総出で造った」

事前にこう語らせているにも関わらず、海王類に「あの一族」とわざわざ伏せさせるのは違和感を感じる。

つまり、「”あの一族”と”魚人島民”で造った」と考える方が自然だと思うのだ。

魚人族の中に特定の「〇〇一族」がいるとも考えられるが、歴史の本文が魚人島にあることからノアを造った当時は他の種族との交流があったと推察できるので、「あの一族は魚人族以外」と考えて本題を書き進めていく。

③”ジョイボーイ”と”ノア”の深い繋がり

1.オトヒメの夢=先祖達の夢

まず、リュウグウ王国王妃オトヒメの夢と言えばこちら。

「リュウグウ王国をタイヨウの下へ移すこと」

ネプチューンは、この夢について以下のように語った。

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つまり、「オトヒメの夢=先祖達の夢」だと。

更に、そう語る背景に前後の脈絡は無視して意味深にノアが描かれていることから、夢とノアは関係があることが伺える。そして、そのノアはこうも呼ばれている。

「”約束”の舟」

2.ジョイボーイの”約束”=オトヒメと先祖達の夢

ジョイボーイの約束については、こちらのシーンで語られている。

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「内容は詳しく伝わっておらん」と言っているが、その内容は、現代のジョイボーイとなるであろうルフィが人魚姫しらほしと交わした「約束」がヒントになっていると考えられる。

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ジョイボーイが全く同じ約束を交わしたかは分からないが、先祖達の夢から考えても「タイヨウの下へ連れて行く」という主旨は同じと考えてもいいだろう。
このことから、魚人島とジョイボーイの約束とは「リュウグウ王国をタイヨウの下へ移すこと」である可能性は高く、それが正しければ以下の様に結び付けられる。

「ジョイボーイの約束=オトヒメ&先祖達の夢」

これは、「夢について語るネプチューン」と「約束について語るネプチューン」の2つの背景が「ノア」で結び付いていることもヒントだと考えられる。そして、その夢と約束にとって必要不可欠なものが「ノア」なのではないだろうか。

ここまでの内容が的を射ているならば、「ジョイボーイとノア」は深い繋がりがあることは間違いないだろう。

そこで1つ大胆な仮説を入れてみる。

ー巨船「ノア」は、「ジョイボーイの一族」によって造られたー

では、ジョイボーイは何族なのか?

④ジョイボーイの正体

これについては「太陽の神ニカ」を考察した以下の記事で記している。

重要なポイントは、こちら。

「800年前のジョイボーイ=巨人族」

※追記(2022.03.24)最新話の情報や新たな発見から次の様に改めます。

・ニカ→初代ジョイボーイ(海円暦1年)

・〇〇(巨人族)→二代目ジョイボーイ

・ルフィ→三代目ジョイボーイ

冷凍巨大麦わら帽子の存在からも巨人族であることは匂わされているように思う。

それが正しければ、「あの一族の力」というのは「巨人族の力」と言うことになる。

巨人族の怪力を考えれば単純な“力”はある様に思えるが、そもそも彼らに“造船技術”はあるのだろうか?

⑤エルバフの造船技術

ウォーターセブン編で船において最も重要な木材は”竜骨”だと言われていた。そこで改めてノアの竜骨を見て欲しい。

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これ程までに巨大な竜骨の材料が切り出せそうな場所、そして、それを持ち上げられる怪力を持ち合わせた一族と言えば、島の真ん中に超巨大樹(らしきもの)が存在する「エルバフ」が思い浮かぶ。

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エルバフといえば「戦士の一族」だが、木造住宅が建ち並び、木を運んでいる様子が見られることからどうやら多くの住人には「木造大工」としての一面もある様だ。新しい羊の家を容易に建てた様子からは、腕利きの大工が揃っていると推察できる。

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そして、左上の描写で他の誰でもないオイモが大工らしき一面を見せていることは1つのヒントかもしれない。なぜなら、オイモは“船大工の街”ウォーターセブンにいたからだ。ここで「エルバフの大工と船大工」という要素が繋がる。

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そこで海王類の言葉を基に次の様な仮説を立ててみる。

ー「遠い昔のエルバフは、優秀な船大工が揃う国だったが、時代が変わって普通の大工になった」ー

これを成立させる要素を2つ。

要素(1)優秀な”船大工”=優秀な”大工”

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“船大工”として優秀な能力を持つフランキーは、ワノ国で優秀な”大工”としての能力も見せつけていた。

ということは、その逆も考えられないだろうか?

つまり、優秀な”大工”であるエルバフの巨人族が優秀な”船大工”であった可能性は十分あり得るということだ。

要素(2)ヴァイキングの高度な造船技術と…

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エルバフのモデルと言えば北欧の海賊「ヴァイキング」とされているが、このヴァイキングが海の覇者として君臨できた所以は、彼らが持つ「高度な造船技術」にあったのはご存知だろうか。

他国の造船技術が発展途上な時代に、高性能な船を持つヴァイキング達が海の覇者となり得たことは想像に難くない。

もしも、この「ヴァイキングは高度な造船技術を持つ」という要素もそのままエルバフに取り入れているならば、「優秀な船大工が揃っていた」という仮説が成立するだろう。
もしそうなら、特筆したいのがこの船だ。

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こちらは、ヴァイキングが実際に造った船で、当時の状態を残したまま出土されたヴァイキング船として最も有名な船でもある。(ノルウェーのヴァイキング船博物館に展示されている)

ピンと来た方もいると思うが、ノアと並べてみよう。

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船室の無い構造こそ大きく違うが、迫り上がった竜骨と渦巻型の船首は非常に似ている。化石の様に眠っていたことも一致点だ。

仮に尾田さんがノアのデザインにこのヴァイキング船を取り入れられていたならば、いよいよエルバフ=優秀な船大工というのも真実味が増してくる。

あとは、「ノアはジョイボーイが造った」という仮説を成立させる為に、ジョイボーイとエルバフを結び付ける必要がある。

これは、もう一度サウロを基に考えていこう。

⑥ジョイボーイの出身地

私がジョイボーイの子孫だと考えるサウロは、「南の海出身」である。だすると、単純にジョイボーイも南の海出身という可能性ももちろんあるが、私はこう考えている。

・ジョイボーイはエルバフ出身
・800年前に連合国(世界政府)側に破れたジョイボーイが命からがら逃げ延びたのが南の海ソルベ王国だった

これは、4つの手掛りを基にしている。

手掛り(1)「漂流者」サウロ

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サウロは、初登場時に“漂流して”オハラに辿り着いている。都合の良い解釈なのは承知だが、これをジョイボーイに関する1つの伏線として捉えると、連合国との戦いに敗れた先祖ジョイボーイも同じ様に漂流して南の海に辿り着き、密かに子孫を残していたと考えることができる。(南の海バテリラで密かに子孫を残したDであるロジャー、ルージュとも繋がる)

手掛り(2)エルバフを良くは思わないサウロ

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もしも、エルバフについて上の様に語っているサウロ自身に「実はエルバフの血が流れている」としたら中々の皮肉である。
また、ジョイボーイの子孫であることも知らず、政府側である海軍に入隊している点でも皮肉に満ちているが、このような皮肉めいたシナリオを実は尾田さんはちょくちょく盛り込んでくる。

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例えば、モンブラン家を最も嫌い続けたクリケットが皮肉にも”うそつきノーランド”の絵本の舞台に辿り着いてしまったシナリオのように。

同じ様にサウロが上の様に語っていながら、皮肉にもエルバフの血が流れている可能性もあるのではないだろうか。

手掛り(3)イカダ造り

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サウロは、オハラから脱出するためにイカダを造っていた。これも都合の良い解釈をすれば、800年前にジョイボーイが「イカダによって漂流したこと」、もしくは、イカダとは言え”船造り”という意味では同一の行為である「ジョイボーイがノアを造ったこと」の微かなヒントかもしれない。

以上の手掛りから私は「ジョイボーイ=エルバフ出身」と考えている。

話は逸れるがジョイボーイが南の海へ漂流した点について、私はソルベ王国の存在が怪しいと踏んでいる。

「氷漬け」と南の海ソルベ王国

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ソルベ王国と言えば、くまが国王を務めていたらしい国だ。

この「ソルベ」とは、「シャーベット」のことだが、シャーベットとはいわゆる「氷菓子」。つまり、「氷」

氷と言えば…

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氷漬けにされたサウロとジョイボーイの(らしき)麦わら帽子だ。(強引御免)

この”氷繋がり”が意図したものならば、ジョイボーイが漂流して辿り着いたのは「ソルベ王国」なんて可能性も考えられるだろう。

ソルベ王国は、「恐らく何らかの重大な秘密を握っている」と多くの人が予想していると思うが、その秘密の1つが「800年前にジョイボーイが漂着した場所」というものだとしたら、くまが政府の言いなりになったのは「ジョイボーイに関わる”何か”を守る為だった」と結び付いてくる。
更には、同じくジョイボーイに関する秘密を握っているかもしれないソルベ王国王太后ボニー(コニー)が逃げたことで赤犬ほどの男が”ひやり”としたことにも辻褄が合う。政府からしたら空白の100年に関わる秘密だからだ。

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…話を本筋に戻そう。

とにかく私はこの様に考えている。

・ジョイボーイはエルバフ出身
・800年前に連合国(世界政府)側に破れたジョイボーイが命からがら逃げ延びたのが南の海ソルベ王国だった

明確に南の海を目指したのか、たまたま南の海だったのかは分からないが、ロジャーが最期に南の海バテリラへ行ったことも何らかの因果があるのだろう。

さて、ここまでの考察から麦わらの一味が今後エルバフへ行く目的の一つが「ノアの修繕」である可能性を示すことができたと思うので、最後にノアの修繕に伴う”キーマン”について書いていく。

⑦ノア修繕の5人のキーマン

1人目:ジンベエ

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ネプチューンは、王子達にすら内密にしていたノアの真の存在理由について知っていた人物だが、そのネプチューンにジンベエは、信頼されている様子で何度も謁見している。

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その話の中で「ノアを直す必要があること」や「ノアを直すことができる一族」について聞き、いずれエルバフへ訪れて「ノアの修繕をお願いして欲しい」とネプチューンから言付かっているとしたらキーマンとなる。

2人目&3人目:オイモとカーシー

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こちらの扉絵にてエルバフへ向かったことが明らかになったオイモとカーシーは、前述したように木造大工の技術があると思われるので、エルバフで再会すればノア修繕のキーマンになってくれる可能性は高い。

そして、別記事で詳しく考察しているのだが、この490話はグランドラインを半周してレッドラインに”再び辿りつく”という重要な節目の話であり、その内容から「真の平和に”再び辿りつく”」という意味も暗に示している回だと考えた。

そんな回の扉絵にオイモとカーシーが描かれて、エルバフに”再び辿りつく”ことが示されているだけでも面白い繋がりなのだが、
真の平和に”再び辿りつく”ために「ノア修繕」という重要な役割を担うかもしれない2人だからこそ描かれたと考えると更に面白い。

4人目:スタンセン

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私は、次の要素からこの人が最もノア修繕に絡んでくる可能性が高いと見ている。

・専業が「船大工」
・麦わら大船団に属する「新巨兵海賊団」の船員
・ルフィ達に個人的な恩がある

スタンセンは、過去にシャボンディ諸島のヒューマンショップで売り飛ばされそうになっていたところをルフィ達に解放してもらった恩があるのだ。その別れ際のセリフがこちら。

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「この恩はきっと返す!!」

尾田さんは初期から一貫して「恩」という物を大事にする思考の持ち主であることが伺えるので、この伏線は必ず回収するだろう。

その恩返しというのがエルバフで唯一船大工であることが明記されているスタンセンによるノアの修繕となれば個人的にはかなり熱い。

ちなみに、考えすぎかも知れないが上の扉絵のスタンセンには左腕に”仲間の印”がある。

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無くても良いのに、ONE PIECE屈指の名シーンで重要な意味を持った”左腕のバツ印”をわざわざ描いたのは非常に意味深ではないだろうか。

5人目:ロキ

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どこの国でもそうだが、国の秘めたる重要な歴史は王族が握っている。となればエルバフの王子であるロキは外せないキーマンだろう。

ノアをエルバフの巨人族が造ったとすれば、”謎”となっている造船技術を王族が知っていたり、設計図を隠し持っていたりするかもしれない。

ただ、名前の元ネタになっているであろう北欧神話の神ロキを調べると「悪戯好きの神」「邪悪な気質で気が変わりやすい」「よく嘘をつく」など、ノア修繕の協力を求めたとしても一筋縄ではいかなそうな印象ではある。ローラに一目惚れして求婚すると言う点を見ても明らかに曲者だ。笑

ロキに動いてもらう手立てをオイモとカーシーやハイルディンら新巨兵海賊団にしてもらうという展開も考えられたり、ローラとシフォンと繋がりのあるナミが何らかの役割を担うということも考えられるだろうか。

以上、上の5人は今後ノアの修繕をするとしたら重要な鍵となるはずだ。

まとめ

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「直すにはあの一族の力が必要だが
ーー時代が代わった……」

「直すにはエルバフの怪力と造船技術が必要だが、時代が代わって木造大工になってしまった」

・ノアを造ったのは魚人島と約束をしたジョイボーイ
・ジョイボーイは巨人族でエルバフ出身
・エルバフには高度な造船技術があった

ちなみに、「なぜエルバフの造船技術が失われたのか?」と考えた人もいるだろうが、「歴史の本文を守ることが最優先(恐らくあるのだろう)→大半は島に居座ることになった→造船の必要がなくなった」と考えるのが自然だ。その中のはみ出し者がドリーブロギーら海賊だろう。

また、ルフィはシャーリーの予言から魚人島を再訪するはずである。

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今回の考察から考えると、その前にエルバフへ立ち寄って、ノアを直すことができる巨人族達を引き連れてくるという展開が考えられるだろうか。

あとは、ルフィ達がどの様にしてノアを直す必要性を知るかだが、先述したジンベエから聞くという展開がなければ、ラフテルに辿り着いて知るのかもしれない。

因みに、海王類の言葉には1つこのような謎がある。

ー時代が”変わった”ではなく”代わった”ー

時代が”かわる”の場合、一般的には”変わる”を使うのが通例である。

それを尾田さんが敢えて”代わる”としているならば、何かの意味を込めているのだろうか?

“代わる”は、「交代、代打、代理」に使われる様に、ある役割が別の人や物に代わる時などに使う漢字である。難しいのが、ある特定の人物の役割が別の役割になる時は”変わる”を使うことだ。

(例)「バッターがA君からB君に代わる」
      「A君が一塁手から三塁手に変わる」

ただの誤字とも考えられるが、あなたはどう思われますか?

今回の考察の感想等も含めて、コメント欄やTwitterにてご意見をお待ちしています!

それではまた。

コメント

  1. 毎晩寝る前に読ませてもらってます!
    この記事を読んでいて、解明は何もしてませんが、ゴムゴムの実、そしてそれをルフィ(ジョイボーイ有力候補)が食べていること、シャンクスが元は所持していたこと、そしてルフィの技に巨人族の腕なるものがあること、からの、イムのとこで保管されている麦わら帽子がでかいこと、など点が色々と頭に浮かびました。あいにく線にはなってませんが。
    つまりは、ゴムだからルフィの身体全体が頑張れば(ギア?)巨人族のスケールになれることが何か一つこれからのキーにならないのかな?とか思いました。

    • 私も同じことを考えています!
      ファンブックYELLOWにもそれらしき伏線もあるのですが…猿のように俊敏なルフィが巨大化して戦うことにしっくりこないでいます。笑(スリラーバークではオーズが俊敏になってはいましたが)
      一方で、政府が長年推し進めてきた人の巨大化実験を成功させる為に必要だったのがゴムゴムの実だったのかな?と考えています。パンクハザードにいた子供達は身体に無理が出ていましたが、全身ゴムなら耐えられるかもしれません。
      いずれにしても「巨人」は今後物語に大きく関わってきそうなホットワードですね!

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