後編は、黒ひげとホーディ・ジョーンズの「10の共通点」から前編で辿り着いた以下の「黒ひげの最終目的」にもう一度辿り着いてみたい。
ー 青色の星の全てを破壊し尽くした後、星ごとのみ込み”カオスさ(無)”に還す ー
ONE PIECEではクロコダイルとドフラミンゴの様に明らかな共通点のあるキャラは「片方が成せなかったことを成す」などの相反関係にあったり、上位互換となっていることが多いことから、ホーディと黒ひげの一致が意図的ならば黒ひげの最終目的を解くにはホーディの行動を辿ればいいはずだ。
では、まずはその共通点を確認していこう。
黒ひげ⇄ホーディ・ジョーンズ「10の共通点」
①初期メンバーは五人の男
②黒髪、天然パーマ
③メタボ腹
④服は前を開け、腰巻をしている
⑤キャスケット風の帽子
⑥下まつ毛、たらこ唇
⑦全ての攻撃を食らう
⑧組織に潜む計画
⑨聖戦とイメージ国ソマリア
⑩闇
ちなみにホーディ初登場は「第611話”ホーディ・ジョーンズ”」だが、語呂合わせすると「6(る)1(い)1(ひ)」→「類比」となる。両者を類比してみる価値はあるはずだ。
①初期メンバーは五人の男
黒ひげ海賊団の初期メンバーは「黒ひげ、バージェス、オーガー、ドクQ、ラフィット」の五人の男である。
それに対して新魚人海賊団は「ホーディ、イカロス、ダルマ、ゼオ、ドスン」とこちらも五人の男だ。(ヒョウゾウは後から雇った用心棒)
容姿
黒ひげとホーディの見た目の共通点は非常に多い。
②黒髪、天然(?)パーマ
③メタボな腹
④服は前を開け、腰巻をしている
こちらは少年期の二人。
⑤キャスケット風の帽子
⑥下まつ毛、たらこ唇
⑦全ての攻撃を食らう
ヤミヤミの実を食べた黒ひげの体は「攻撃を受け流すことができず、常人以上に引き込んでしまう」という。
一方、ホーディはルフィが繰り出した全9回の攻撃を”全て”受け流せず食らっている。
避けることはもちろん、防御すらできず全てを見事にお見舞いされているのだ。
⑧組織に潜む計画
黒ひげは、シャンクスに傷を負わせる程の実力を有していながらも、”ヤミヤミの実”を手に入れる為に何十年間も白ひげの船に潜んでいた。
また、潜むとは少し違うが、インペルダウンの囚人を仲間にする為だけに七武海入りした件は、一つの目的の為だけに組織に属すという計画である。
対して、ホーディも戦闘技術を身につける為だけにネプチューン軍に仕えた過去を持つ。
両者共、己の野望の為に組織に潜み簡単に裏切っている。
⑨イメージ国ソマリアと聖戦
黒ひげのイメージ国は「ソマリア」であり、少年期にいた街は実際のソマリア建築と同じようにアーチ窓が多く使われている。
ソマリアとは、1980年代から今なお内戦が続いている国だ。この内戦に深く絡んでいるのが”イスラム過激派組織”で、彼らは「ジハード=聖戦」という言葉のもとにテロ行為を正当化している集団である。
この「聖戦」という言葉をホーディも使っている。
「聖戦」という言葉のもとに魚人が人間を奴隷にしたり殺めることを正当化していた。
この繋がりを考えると、ホーディの帽子の星はソマリアの国旗を表しているようにも見えてくる。
ソマリアとは関係ないが、帽子からのメッセージはもう一つある。
この「CHECK」は、黒ひげとリンクさせたキャラだから「チェックだよ」という尾田さんからのメッセージと捉えるのは考え過ぎだろうか…?
⑩闇
ヤミヤミの実を食べた「闇人間」の黒ひげ。
「魚人族の闇」と揶揄されるホーディ。
「闇vs太陽」の戦いに勝利した黒ひげ。
“タイヨウ”の下で暮らす思想を持つオトヒメ王妃を殺した魚人族の”闇”ホーディ。
この様に黒ひげとホーディは「闇」というワードでも繋がっている。
以上が黒ひげとホーディの10の共通点だ。これだけのリンクがあるならば、冒頭に挙げた法則から黒ひげの今後の行動は「ホーディの行動」をひっくり返す、または上位互換をすれば読み解けるはずだ。
黒ひげの今後の行動と「最終目的」
①「王になる」
ホーディは以下のような野望を持っていた。
魚人島を奪い国王となり、人間を恨む者だけの国に変え、人間への復讐を果たす
しかし、「王になる」という計画はルフィ達によって阻止され「王にはなれなかった」。
ホーディが「王になれなかった」なら反対に…
黒ひげは「王になる」
クロノスがウーラノスを倒したようにイムを倒して世界の王になるのか、海賊王になるのか、そのどちらもという可能性もある。
②「”体験”と”意志”がある復讐」
ホーディが「人間に”なにも”されていないのに勝手に恨みを増幅させ、”体験”と”意志”のない復讐に燃えていた」なら、
反対に黒ひげは…
壮絶な”なにか”をされ、”体験”を通した”意志”のある復讐をしたい
少年期の握り拳と表情は悔しさを滲ませ、復讐を誓っているように見える。
③「全てを破壊する」
ホーディが最終的に取った作戦は…
敵味方諸共、”魚人島”の全てを破壊する
これをひっくり返すのではなく上位互換すると、黒ひげは…
敵味方諸共、”青色の星”の全てを破壊する
これが前編で辿り着いた以下の「黒ひげの最終目的」へと繋がる。
ー 青色の星の全てを破壊し尽くした後、星ごとのみ込み”カオス(無)”に還す ー
ポイントはホーディが「敵味方諸共」破壊しようとした部分で、「完全なる破壊と殺戮をしたあと『敵味方諸共』黒ひげの闇にのみ込まれて無に還る」という黒ひげ海賊団の計画にリンクしているのだ。
そのように繋がっているとすると「青色の球体」をした魚人島が「青色の星」を隠喩しているように見えなくもない。
最後に
644話”ゼロに”にも黒ひげとの暗喩があると見ている。
話の内容は、魚人島に迫り来るノア、そのノアを落とし全てを破壊しようとするホーディと戦うルフィに対し、フカボシが「過去などいらない!!!”ゼロに”してくれ!!!」と叫ぶという内容。
ところが見方を変えると迫り来るノアは「迫り来る“闇”」、644話を語呂合わせすると6(む)4(じ)4(ょ)→「無情」。つまり、黒ひげの「青色の星を”ゼロに”する”無情”な破壊」を意味しているのかもしれない。
さらに、644話のラスト1コマでホーディに対しルフィが打ち込んだ新技は…
ー ゴムゴムの火拳銃(レッドホーク)!!!! ー
これが意味するのは…
「生けるエースの”意志”であるルフィ」が
「ホーディとリンクする黒ひげ」を
「エースの”意志”を乗せてぶっ飛ばすフラグ」
かもしれない。いや、そうあって欲しい。笑
(追記)前編はこちら
次回予告
次は、空前絶後の盛り上がりを見せている「ワノ国編」の考察を書こうと思っています。
それではまた。
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