今回は、下の記事の続きとなる。
未読の方は、ぜひ先に読んで欲しい。
前編では「伝説の実=ゴムゴムの実=ウラヌス」と考察したが、今回はまず「ウラヌスの覚醒で得られる能力」について解き明かし、後半はその能力が存在する証拠となる戦いの痕跡を提示していく。
①ウラヌス覚醒で得られる能力
まず、単刀直入に言うがウラヌスの覚醒によって得られる力は二つあると考えている。
1.周囲をゴムに変化させる
2.実に宿る”ニカの魂”を呼び起こす
1は他の超人系と同じイメージだ。そして、2は自分でも突拍子もないことを言っているのは百も承知だが、根拠をこれから説明していく。
1.ロングリングロングランドとワノ国のリンク
ワノ国編では週刊少年ジャンプに見られる煽り文「ワノ国ですべてが繋がっていく」の通り本当にこれまでの話すべてからの繋がりが見られる。
分かりやすいところではスリラーバーク編やエニエス・ロビー編が挙げられるが、最も注目しなくてはならないのがロングリングロングランド編だろう。
何故ならロングリングロングランドとは、そのまま「輪の国(ワノ国)」だからだ。
ここで登場した敵キャラ「銀”ギツネ”のフォクシー」は、ワノ国編の「狐火流、狐の面、オニ丸」と”狐”でリンクが見られる。
更に、ロングリングロングランド編の”310話の扉絵”は、文句のつけようのない繋がりだろう。
ワノ国編959話の「ルフィの装い」然り、「ピンクの龍=モモの助」然り、扉絵の伏線としては最も分かりやすく明確な伏線回収の一つではないだろうか。
ただ、これらのワノ国編との繋がりは、あくまでも”設定の”伏線に過ぎず、ワノ編でこれから起きることの伏線、つまり「ルフィの力の覚醒」という重大な鍵を握る存在がいるのだ。
私は、それが「トンジット」だと考えている。
2.ウラヌスが初めて出た話の扉絵
ウラヌスの名前は、作中では後にも先にも650話でネプチューンの口から出ただけである。(2022.02.05現在)
その重要な回の扉絵がこちら。
一見すると何の変哲もない扉絵なのだが、“孫が二人”いることに大きな意味がある。
プルトン、ウラヌス、ポセイドンは、それぞれギリシャ神話の神々から名前を付けているであろうことは広く知られているが、こんな関係はご存知だろうか?
「プルトン(プルートーン)とポセイドンはウラヌス(ウラノス)の”孫”」
この関係を扉絵に当てはめると二人の孫がいるトンジットは…
「ウラヌスを表している」
こう解釈できる。
更に、もしも本当にゴムゴムの実がウラヌスならば、それは世界をひっくり返すこともできる力となる可能性があるが、650話をひっくり返すと…
「650→056→ゴム」
となり、650話の表紙1ページだけで「ゴムゴムの実とウラヌス」という繋がりが完成しているのだ。
そして、トンジットに女の子がくっついてセットになっているのは「ルフィ(ウラヌス保持者)」と「しらほし(ポセイドン)」のセットを表しているとも考えられる。
以上のことから概ね次の様に考えることができる。
「トンジットはウラヌス考察のヒントキャラ」
これを頭に入れていただけたら、次は伏線てんこ盛りのロングリングロングランドの本編を見ていこう。
3.本編で示唆されていた呼び起こされる「ニカの魂」
ロングリングロングランドに上陸した304話には「ゴムゴムの実」の匂わせが見られる。
a.りんごを食べるルフィ
b.のびのび成長する動物や木
c.トンジットが竹馬に乗った年
a.”りんご”を食べるルフィ
ルフィが上陸して初めて取った行動がこちら。
“りんご”と言えばONE PIECEでは「悪魔の実」を表していることが多い果物だ。
b.”のびのび”成長する動物や木
この島の動物や木はみんな大草原で”のびのび”生活しているから体や幹が「長く伸びる」そうだ。
aとbだけでもどことなく「ゴムゴムの実」が匂わされているのが僅かながら感じられると思うが、それを確かなものにしてくれたのが次。
c.トンジットが竹馬に乗った年
トンジットは世界一長い竹馬に乗って降りられなくなったのだが、乗ったのは「10年前」だ。(現在だと12年前)
「ゴムゴムの実」「10年前」となると忘れてはならない出来事がある…
ルフィがゴムゴムの実を食べたのが「10年前」なのだ。
304話に散りばめられた「ルフィがりんごを食べる」「のびのびした動物と木」「10年前」という3つのキーワードは、ゴムゴムの実を想起させる仕掛けと見ていいだろう。
そんなゴムゴムの実がプンプン匂わされている304話で竹を割って現れたトンジットを見て、ルフィはこの一言。
ここで一度これまでの考察のポイントをまとめる。
・ゴムゴムの実を想起させる伏線
・トンジットはウラヌスのヒントキャラ
・竹の中から現れた精霊トンジット(という演出)
・ウラヌスはニカが口にしていた悪魔の実(前編より)
以上のポイントを踏まえて、「ウラヌスの覚醒」について私が導き出した一つの答えがこちら。ウラヌスが覚醒すると…
ー「太陽の神ニカの”魂”が呼び起こされる」ー
精霊とは万物に宿る「魂」のことであり、英語でspirit(スピリット)は精霊とも魂とも訳せる。
つまり、私は「ウラヌス=ゴムゴムの実」には「ニカの魂が宿っている」と考えている。それが覚醒すると共に呼び起こされ、”特別な力”を引き出すことができると。
妄想じみているだろうか?
いや、それを示唆する伏線がまだ”デービーバックファイト”に隠されている。
4.「ニカの魂」の存在を裏付ける伏線
フォクシーとの一騎打ちで登場したルフィの姿がこちら。
…….
お気づきだろうか?
並べてみよう。
この登場シーンは「32巻313話のラスト1ページ」だが、そのすぐ後のSBSにはこの様な内容が挿し込まれている。
「神」や「精霊」を話題にした質問を入れて匂わせているとも取れる。
そして更に面白いのが、次の1ページとなる314話表紙がこちら。
“ゲダツのうっかり青海暮らし”の1カット目だがタイトルに注目してほしい。前編で「ニカは太古の昔、月から降り立った」と考察したが、それを匂わせるようなタイトルである。
更に更に、その314話でのウソップのセリフ。
サンジのセリフ。
・更なる野生を呼び醒ます
・現代の科学では解明できない
・ブラザー”魂”
コンバットでは終始謎の「ブラザー”魂”」という言葉がピックアップされ、アフロを被ることはそれを呼び醒ますというのがギャグ調に描かれているが、これは上のルフィの体のマークから考えると、ウラヌスに宿った「ニカの”魂”」が覚醒によって呼び起こされるという伏線なのかもしれない。
ーーここまでの考察で「ウラヌスの覚醒でニカの魂が呼び起こされる」という可能性もなくはないと思っていただけていると信じて話を進めるが、それに伴って得られる“特別な力”とは具体的にどの様な力なのだろうか?
まずは、「太陽の神」というネーミングと「燃えるような髪」であることを加味して私の大胆予想を発表する。
「太陽エネルギー(炎)を纏って戦える」
(スーパーサイヤ人のようなイメージ?)
既にルフィは、炎自体は腕に纏ってはいるが、それが全身となりマグマ以上に高熱の”太陽の炎”を纏えるイメージをして欲しい。
何故このように考えたかというと、偉大なる航路に”その力”を使った痕跡が存在しているからだ。
②太陽エネルギーの痕跡を残した”英雄”
1.二つの古代兵器の爪痕
a.プルトンを使った痕跡
b.ウラヌス覚醒者の力の痕跡
c.二つの力が衝突した伏線
a.プルトンを使った痕跡
空白の100年に存在した「巨大な王国」は「連合国」と戦い、今はもう「跡形もない」ようだが、その戦いの痕跡の一つとしてが考えられるのがここだ。
エニエス・ロビー。
この場所が巨大な王国のあった場所なのかはまだ分からないが、「跡形もない」という言葉で思い出して欲しいのが「島一つを跡形もなく消す」というプルトン。
前編で考察した「プルトンの正体」から考えると、この場所にはエネルがエンジェル島を消したように「プルトンによる雷撃」が落とされたのではないだろうか。
ただし、文字通り「跡形もなく消えた」エンジェル島とは違ってエニエス・ロビーは不可解な残り方をしているのだが、これについては後述する。
b.ウラヌス覚醒者の力の痕跡
パンクハザードの赤犬と青雉の決闘後の例からは、ハイレベルな能力者が本気で力を使うと天候さえも変えてしまうことが分かるが、これと同じ現象がエニエス・ロビーでも起きている。
エニエス・ロビーは夜が来ない「不夜島(昼島)」だが、この地は過去のウラヌスの覚醒者が太陽エネルギーを纏って壮絶な戦いを繰り広げた末、不夜島となったのではないだろうか。
つまり、私はa(連合国が持つプルトン)とb(巨大な王国が持つウラヌス)がエニエス・ロビーで衝突したと考えているのだが、その伏線は恐らく空島のクライマックスにある。
c.二つの力が衝突した伏線
マクシムとプルトンのリンクは前編で紹介したが、そのマクシム(エネル)の作る雷迎が神の島に落とされる寸前、神に祈ったスカイピアの人々。
その祈りに応えたのがルフィだ。
「ドッパァン!!!」
…まさに「太陽の神」そのものである。
この時は、たまたま手に付いていた黄金の塊が作用して雷雲をかき消すことが出来たようだが、この様なイメージの戦いがエニエス・ロビーでは起こり、その結果プルトンの雷撃によって「大穴」が、ウラヌス覚醒者の太陽エネルギーによって「不夜島」が生まれたのではないだろうか。
そしてこの不夜島の存在こそがウラヌス覚醒者が太陽エネルギーを纏って戦った痕跡であり、そのような力が存在した動かぬ証拠なのである。
2.ウラヌス覚醒者の正体ともう一つの爪痕
a.陽光を放つ帽子
b.ウラヌス覚醒者の正体
c.もう一つの爪痕
a.陽光を放つ帽子
「不夜島」と同じように太陽エネルギーによって物質の性質が変えられたと予想できるものがマリージョアの「巨大麦わら帽子」だ。
この前のコマを見ると分かるが、他のくぼみは真っ暗なのに対して麦わら帽子のあるくぼみが光っているのは麦わら帽子自体が陽光を放っているからではないだろうか。
これはつまり、過去のウラヌス覚醒者が身に付けたもので、その者の太陽エネルギーによって不夜島が生まれたように「陽光を放ち続ける帽子」となったのかもしれない。
b.ウラヌス覚醒者の正体
もうここまできたら言うまでもないかもしれないが、上の帽子の持ち主、そしてエニエス・ロビーで戦った巨大な王国側のウラヌス覚醒者とはもちろん…
「ジョイボーイ」
私は、過去記事で「ジョイボーイ=巨人族」と考察したが、それが正しければ前述した「エニエス・ロビーの不可解な残り方」の謎が解ける。
(↑新たな情報と今回の考察を受けて「ニカ=ジョイボーイ」という結論ではなく「ジョイボーイの中にニカの魂が宿っていた」と軌道修正しておく)
c.ジョイボーイが残したもう一つの爪痕
エニエス・ロビーでルフィが初披露した技がこちら。
例えば、このような腕を巨大化させて伸びるパンチを巨人族(または古代巨人族)が使ったら、その”伸びた腕”とその”先にある拳”は一つの小さな島ほどの大きさとなるかもしれない。
そんなパンチを放つも、惜しくも真上から落ちて来た雷撃によって元の島が腕の形を残して、それ以外の部分が跡形もなく消えてしまったら……
このような地形が生まれるだろう。
つまり、このいびつな島の形はジョイボーイの残した戦いの爪痕なのかもしれない。
ただ、この説を通すには対面する司法の塔側は、なぜ残っているのかという疑問が残る。
考えられるのは”プルトンの船首”ぐらいだがどうなのだろう…。
いずれにしても次の二つのタイトルからこの地でジョイボーイが戦ったことは間違いないと見ている。
419話は、スパンダムが自分のことを「英雄」と呼んでいるだけで、特に「伝説」という言葉も出なければ内容もそのような側面はないことに違和感がある。
となると、二つのタイトルはこの地で巨大な王国の「英雄ジョイボーイ」&「人魚姫」が連合国と戦った伝説があるという伏線なのではないだろうか。
419を語呂合わせすると…
「夜明け」=「DAWN」
なのも面白い。
ジョイボーイからウラヌスを継承したルフィは、果たしてどのように世界を夜明けへと導くのか?
今後も目が離せない。
最後に
今回ウラヌスの考察をする中で個人的にこう名付けたい法則を見つけた「スペ3の法則」。
スペ3とは「スペードの3」のことで、トランプゲーム”大富豪”において処理に困る最弱のカードだが、万能最強カードであるジョーカーに対してのみ勝つことが出来るというルールである。
このような「最弱がひっくり返し最強となる」という逆転現象が今回のウラヌス考察では二つ見られた。
1.ゴムゴムの実とスペ3
ゴムゴムの実は、ルフィの基礎戦闘力や自由な発想があるからこそその特性を活かした戦闘ができているが、能力だけで見たら他に強い実はいくらでもありそうである。
ゴムゴムの実が最弱とまでは言わないが、ONE PIECEを初めて読んだ人が「強そう」とは思いにくいだろう。
そんなイメージのゴムゴムの実が、実は古代兵器プルトンという世界を滅ぼすほどの言わば最強の力(雷撃)に対して最大の力(ゴム)を発揮できる古代兵器ウラヌスだったとしたら正にスペ3のような逆転現象である。
SBSでもこのようなやり取りがある。
尾田さんの「そういう漫画を描きたかった」というのは、「一番ふざけた能力」がここぞという時に逆転して「最強の能力となる」という意味だとも思うのだ。
ちなみに、エースはスペード海賊団なので「スペードのA」のイメージがあるが、そのエースの弟で”三男”でもあるルフィは言わば「スペードの3」のイメージがあると言える。
2.ロングリングロングランド編とスペ3
今回の考察の対象となったロングリングロングランド編は、圧倒的不人気であり「最もつまらない」「必要ない」などと言われてしまう話だが、今回の考察が当たった時、「主人公覚醒の伏線」という物語の重要な秘密を握る最も重要な話の一つにひっくり返るのだ。
これもまたスペ3のような逆転現象である。ちなみに、ロングリングロングランド編の伏線は、この記事で紹介したものだけでなくまだまだある。詳しくは以下の記事へ。
思えばコビーのような初見で弱そうなキャラを2話から大事に成長させて見せ場を作っていることや、泣き虫なモモの助に自分の殻を破らせるシーンを描いたりと随所にこの「スペ3の法則」が見られるのがこの漫画ONE PIECEなのかもしれない。
ーー最後に、本当にルフィが食べたウラヌス(ゴムゴムの実)にニカの魂が宿っていて、それを呼び醒ますことが出来たら、ルフィは「ゴム」と「太陽の炎」という二つの力を手に入れることになるが、これぞまさに「”二”つの”力”」で…
「ニカ」
以上、それではまた。
ーウラヌス考察まとめー
・ウラヌス(天)とプルトン(地)は対の関係で、「ゴムゴムの実」と「雷撃」
・原初の神ニカが口にしていたゴムの能力の実をウラヌスと呼んだ、または原初の実ウラヌス
・ウラヌスには「ニカの魂」が宿っている
・覚醒すると魂を呼び起こし「太陽エネルギー(炎)」を纏える
ー補足1:なぜニカは魂を宿らせることが出来たのか?ー
一言で言えばロマン。メリー号にクラバウターマンが宿っていたように”強い愛や想い”はモノに魂を宿らせるという理屈。ニカの何らかの強い気持ちによって宿っているのではと。ちなみにロングリングロングランド編開始の32巻の表紙裏の尾田さんのコメントは「思い込み」について書いている。
ー補足2:ズニーシャとの関連は?ー
1037話のラストで象主が描かれたのは「象主の罪」と「伝説の実」が関連しているからと考えている。恐らく象主の好物が「空島のりんご」であることがヒントで、記事に書いたようにりんごが悪魔の実を表しているなら、何らかの理由でどこかに隠されていた”伝説の悪魔の実”を取ってしまったことが象主の罪なのではないかと。モデルは、聖書のアダムとイブが禁断の果実を取ってしまった話。
ー補足3:ウラヌス=「天」の要素は?ー
「ウラヌス=ゴムゴムの実」という説に「天」の要素がないことに違和感を持っている方もいるとは思うが、太陽の力が使えるとしたら、それは「お”天”道さま」の力なので一応「天」の要素は含まれている。また、島を不夜島に変えてしまったことはある意味天候を操っているとも言える。
ー補足4:なぜ政府は伝説の実のコピーを作らなかったのか?ー
過去の伝説の実(ゴムゴムの実)の能力者を把握していたなら血統因子を取り出しておけばコピーが作れたかもしれないが、肝心の「ニカの魂」はオリジナルにしか宿っていないものと思われるので、コピーはただのゴムゴムの実でしかないのではと。
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