その巨大さから900年以上前より生きていると推察できる「陽樹イブ」。この大樹の謎を解き明かすことは、空白の100年の真相に迫る一手になるだろう。
さて、今回は大きく分けて二つの項で展開していく。
①陽樹イブ「先端の在処」
②イムが最も隠したかった非加盟国共通の〇〇
まずは、誰もが気付かなかった陽樹イブの「大胆な隠し場所」から解き明かしていこう。
①陽樹イブ「先端の在処」
ー特徴ー
・マリージョア真下の「魚人島」に根っこがある
・魚人島に「光」と「空気」を届けている
・世界に一本
・全長1万m以上
陽樹イブとは、全長1万m以上もある規格外の大樹なわけだが、その幹がイレギュラーな曲がり方をしていない限りは、上に伸びる先端の場所として二つが考えられる。
ⅰ. レッドラインに埋まっている
ⅱ. 聖地マリージョアのどこか
これらは、ウソップの発言からも可能性があると言える。
「『ヤルキマン・マングローブ』の親分みてェなモンか!!」
ヤルキマン・マングローブは、どれも真っ直ぐ上に伸びていることから、陽樹イブがもしもそれを巨大にしたものであるなら、やはり先端の場所は前述の二つの内どちらかだと考えていいだろう。
埋まっているのか?地表に出ているのか?これを一つに絞るのは難しくない。なぜなら、陽樹イブは地上の「昼夜」に応じて魚人島に光を届けているので、「完全に埋まっている」という線は薄いからだ。
となれば「マリージョアのどこか」となるので、ここからは更にその詳細な場所を暴いていく。手掛かりは三つ。
A.レッドラインは「不毛の地」
B.「花の部屋」の木
C.パンゲア城内の描写
それぞれ見ていこう。
A.レッドラインは「不毛の地」
「ええ人工ですが」
当ブログが何度も着目している部分だが、マリージョアの木々は「人工」である。つまり、マリージョアは草木の生えない「不毛の地」である可能性が高い。
しかし、そんな人工の木が規則的に並べられた不毛の地において、明らかに「不自然な木」が生えている場所がある。
B.「花の部屋」の木
この部屋の木は、明らかに不規則的に生えていて人工には見えづらい。更に、建物と同化している点に着目して欲しいのたが、同化の理由として考えられる線は二つある。
ⅰ. 木が部屋を侵食し、同化した
ⅱ. 建築時に木と建物を、同化させた
「ⅰ」だとするなら、似たようなことは空島の「神の島」でもあった。
これは、明らかに木が生きているからこそ起こり得る現象だ。つまり「ⅰ」なら木は生きている。
「ⅱ」だとするなら、木を切ってしまえば建てやすいものをわざわざ同化させたわけだが、この場合も確かなことは、生きた木がそこにあったということ。
つまり、「ⅰとⅱ」いずれにしてもマリージョアは不毛の地であるはずなのに、花の部屋には「生きた木がある」という矛盾が生じているのだ。
では、なぜ生きていられるのだろうか?
不毛のレッドラインに根付いても生きていられないと考えると、「根はレッドライン真下の海中まで伸びている」と考えられる。すなわち、花の部屋の生きた木は、
「陽樹イブの枝葉」
という大きな可能性が生まれるのだ。
その上で、この可能性を高める為に、パンゲア城内の他の描写の「不可解な点」を次は見ていきたい。
C.パンゲア城内の描写
まずは、パンゲア城内にいるところしか描かれていない五老星だが、背景の「アーチ窓」が大きな手掛かりとなり、彼らは「パンゲア城の上層階にしかいない」と五老星の正体の記事にて考察した。
ー五老星がいるのは四箇所のみー
・権力の間
・通路
・虚の玉座
・噴水前
これに付け加えて、「世界会議」にて各国の王族達がいたパンゲア城内の二つの場所を見て欲しい。
ー王族達がいたのは二箇所のみー
・会議の部屋
・社交の広場
会議の部屋もアーチ窓で、社交の広場も明らかに「上層階」なのだ。ステリーのみ「虚の玉座」にいた描写もあったが、それも五老星がいたことから上層階だと考えられる。
つまり、五老星も王族達も城内では上層階にいる描写しかないのだ。これは非常に不可解ではないだろうか?
このことから、上層階より下には世界政府はもとより尾田さんが隠したい「重大な何か」がある可能性が高い。
ならば、陽樹イブの先端がある「詳細な場所」とは、”そこ”ではないだろうか。
パンゲア城の緑の屋根”より下”
つまり、陽樹イブの先端はパンゲア城によって覆い隠されているということだ。
となると、緑の屋根より下にアーチ窓を使わず、光を効率よく取り込める「四角窓」が規則的に並べられていることに以下のような意味が生まれる。
陽樹イブに効率的かつ規則的に光を届ける為
こう考えると、存在が隠れていても魚人島に光が届くことにも辻褄が合う。
ただし、この説が通るには「王族達の目に触れさせず上層階へ行かせる階段がある」という事実がなければならない。その確証はないが、王族達がパンゲア城正門にいるコマの次のコマがすぐに上層階である社交の広場であることから可能性はゼロではない。
さて、ここでまた大きな疑問が生まれた。
なぜイムは陽樹イブを隠したのか?
これを次の項で解き明かしていこう。
②イムが最も隠したかった非加盟国共通の〇〇
例えば、空島で「神エネル」が「神ガン・フォール」を追いやった様に、支配者にとって自分と似た存在は邪魔者となる。ならば、「神イム」にとって「陽樹イブは”似た存在”であり”邪魔なモノ”だから隠した」という小さな可能性が生まれる。
では、イムと陽樹イブは”何が”似ていて、”なぜ”邪魔だったのだろうか?
ここで一つクローバー博士の言葉を思い出して欲しい。
「歴史と共に呼び起こされるその王国の”存在”と“思想”こそがお前達『世界政府』にとっての脅威なのではないのか!!!」
つまり、巨大な王国には「ある思想」が存在し、世界政府はそれを隠したということである。そこで前述した「小さな可能性」と繋ぎ合わせて、この様な仮説を立ててみる。
神イムは、陽樹イブを「御神木=神」とする”思想”を隠したかった
この仮説を真実へと近付けてくれる鍵は、世界政府による思想の上書きを受けていないであろう「世界政府非加盟国」が握っている。非加盟国に該当する「シャンドラ」「モコモ公国」「ワノ国」「エルバフ」には”思想の片鱗”が残っているのだ。
まずは、「陽樹イブ」を二つのキーワードに分けて考える。
ⅰ.「太陽」
ⅱ.「特別な木」
それぞれの国に残るこれらのキーワードを見ていこう。まずは「太陽」から。
Ⅰ.シャンドラと太陽
空島ではカルガラの時代(400年前)には「太陽の神」がいると信じられていた。
儀式の際には「雨、森、大地」と言った他の自然にも神が宿っているとする自然信仰が見て取れるが、ムースが「太陽の神に迎えられるのよ」と言ったことから恐らく主神は太陽の神であり、とりわけ「太陽信仰」を重要視していると取れる。
Ⅱ.モコモ公国と太陽
二人の王は、イヌアラシが「日出」と共に起き、ネコマムシは「日没」と共に起きるという様に「太陽」を基準に生活時間を分割していた。
ネコマムシは「月と共に」と表現されていたが、彼は自らを「世界の夜明けを待つ男」と言う。つまり「太陽」を待つ男なのだ。
Ⅲ.ワノ国と太陽
ブルックがワノ国について語った時に描かれた背景は、「太陽」をシンボルとした旭日旗に酷似している。
そして、ルフィとゾロが着た着物にも「太陽」を連想させるマークがある。
そもそも、ワノ国のモデルは「日本」であるが、日本の名前の由来は「日の本」という言葉であり、日とはもちろん「太陽」のことである。
Ⅳ.エルバフと太陽
ビックマム過去編のエルバフで行われていた「冬至祭」。
これは、エルバフの戦士のモデルである「ヴァイキング」達が実際に行っていた祭りである。冬至の日を境に日が長くなっていくことを「太陽の力が強くなる=太陽の復活」と捉えて祝った祭り事だ。つまり、エルバフも「太陽」を重要なものとして考えているのだ。
以上、四つの非加盟国は「太陽」をキーワードに繋がることがまず一つ。次は「特別な木」について。
Ⅰ.シャンドラと特別な木
カルガラは、こう言った。「おれ達は先祖を神の様に尊敬している」。
そして、その「先祖=神」はシャンドラの鐘の音に導かれて「身縒木(みよりぎ)」と呼ばれる「神聖な白色の木々」に宿るとされている。
Ⅱ.モコモ公国と特別な木
モコモ公国にはネコマムシが代々守って来た「神聖なくじらの森」があり、その名の由来だと考えられるくじらの形をした木は、「神聖な木」だと読み取れる。
Ⅲ.ワノ国と特別な木
ワノ国の中心には「巨大な桜の木」があり、将軍の城がその上に鎮座していることから「特別な木」だと考えられる。
また、編笠村には私達の世界の神社で見られる「御神木」がある。御神木とは神が宿るとされる「神聖な木」だ。
Ⅳ.エルバフと特別な木
ビックマム過去編では詳細な姿が描かれなかったが、エルバフには島のほとんどを埋め尽くす程の「超巨木」があるように見える。木である確証はまだないが、木であるなら「特別な木」であることは間違いない。
以上、四つの非加盟国は「特別な木」というキーワードでも繋がるのだ。
「太陽」
「特別な木」
陽樹イブを表すこれらのキーワードは、非加盟国を繋ぎ合わせるピースであり、それぞれに散りばめられた「巨大な王国の”思想”の片鱗」だと考えられる。すると、本項冒頭の仮説も真実味を帯びてこないだろうか。
そして、その片鱗のほとんどが「信仰的な要素」に絡んでいることを元にして仮説に肉付けをすると、前項ラストに挙げた疑問「なぜイムは陽樹イブを隠したのか?」の答えが導き出せるのだ。
イムは、陽樹イブを「神(御神木)」とする太陽信仰の下に世界中の人々が平等で平和に暮らす”思想”を隠したかった
つまり、世界を支配したいイムにとって世界中の人々が「平等に暮らす思想」ほど邪魔なものはないので、その象徴となる「陽樹イブ」は、最も隠したい存在だったということだ。
更に、「陽樹イブ=平和と平等の象徴」という点に着目すると繋がりが見えるものがある。
「虚の玉座」
・各国の王達は皆”平等”であり独裁の欲は持たないという誓いを立てる
・この場所こそ世界の中心
・誰も座らないことが平和の証
つまり老人いわく、虚(から)の玉座は「世界の中心にある平等と平和の”象徴”」ということである。しかし、イムが躊躇なく腰掛けたことと、ここまでの考察から考えると、それは虚(きょ)つまりウソであり、本来「平等と平和の”象徴”」となっていたモノこそが「陽樹イブ」だと考えられるのだ。
さて、ここで更なる疑問が生まれている。
なぜ、イムは陽樹イブを”消さずに隠している”のか?
これがドフラミンゴのこの言葉にリンクしているのでは無いだろうか。
つまり、重大な国宝とはパンゲア城内部に隠された陽樹イブのことであり、イムが陽樹イブを消さずに隠す理由は、独占し利用することで世界の実権を握れるからだ。
なぜ陽樹イブを利用することで世界の実権を握れるかはまだ導き出せないが、確かなことは陽樹イブは魚人島に「恵み」を与えているので、その枝葉からも「何らかの恵み」が受けられる可能性は高い。
その「恵み」を独占しているからイムは世界の実権を握れているのかもしれない…。(追記2022.03.07 考察し直してマリージョアの国宝はプルトンだと考えています。詳細はいずれまた)
さあ、ここまでの考察で見えて来ているものにお気付きだろうか?
「世界の夜明け」の本当の意味
もう答えは明白だ。
「世界の夜明け」
=パンゲア城を壊し、陽樹イブをあらわにする事
これは、恐らく日本神話の「天岩戸(あまのいわと)伝説」をモデルにしている。ザッとこんな話だ。
ー天岩戸伝説ー
・日本の「太陽神」である天照大神が弟の暴挙に怒って洞窟(天岩戸)に閉じこもったことで世界が暗闇に包まれてしまい、様々な災いが起こる
・他の神々が知恵を持ち寄り、洞窟から天照大神を連れ出すことで世界は再び光を取り戻す
つまり、閉じこもった太陽神は「陽樹イブ」をイメージ、洞窟は「パンゲア城」をイメージしているということだ。すなわち、パンゲア城を壊すことで、ONE PIECEの世界も再び光を取り戻すのではないだろうか。
その「光」こそが先に挙げた世界中の人々が平和で平等に暮らす思想だと思うのだ。
次回予告
今回の記事で、空白の100年に存在した巨大な王国の「思想」を後から現れたイムという「支配者」が塗り替えたという流れを紐解くことができた。
実は、この流れというのは私達の世界でも往々にしてある流れである。その中でも最もONE PIECEにオマージュされている時代がある。
それが「縄文時代〜弥生時代」だ。
今回の記事で最後に挙げた「日本神話」も絡んでくるこの時代を解き明かすと、多くのリンクが見えてくるから非常に面白いのだ。
それではまた。
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